こんにちは。A&K COFFEEのKINEOです。
多くのFlairファンが待ち望んだFlair 58xがついに登場しました。
そこで今回は大のFlairユーザーである僕が、使用感やPRO2との違いについて徹底的にレビューしていきます。
また、味覚には個人差があるところですが、エスプレッソの味についても述べていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
今回登場したFlair 58xについては、最新モデル機ということでいろいろとバージョンアップしていますが、基本となる”手動式のレバーマシン”という点は従来と同じで変わっていません。
ただ、初めてフレアを手にするユーザーと、すでに以前のモデルを所有しているユーザーで見るべきポイントが違うはずです。
A&K COFFEEのKINEOです。ドリップ・焙煎・エスプレッソ・ラテアートまですべて独学で身に付けてきました。現在は東京都板橋区で念願だった『自家焙煎カフェ』を運営、『自家焙煎珈琲豆のオンラインショップ』とこの『珈琲ブログ』も運営しています。他にもビンテージ・アンティークに精通し、コーヒーカップの収集も趣味の一つです。この『珈琲ブログ』は、コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し、たくさんの人と共有することを目的に運営しています。あなたの素敵なコーヒーライフの参考になれば嬉しいです。
あなたの現状の生活スタイルなどと照らし合わせて、必要性などを確認・検討していただければ良いかと思います。
本記事が今後のエスプレッソライフの参考になれば幸いです。
それでは、さっそく本題へいきましょう。
【最新モデルFlair 58xとは】
Flair 58xは、2021秋に販売が開始されたFlair Espresso Makerの最新モデルです。
フレアエスプレッソの産みの親である”セルジオ・ランダウ”は、機械工学と生物医学機器のスペシャリストであると同時に、コーヒーへの強い愛情を持ったエスプレッソ・コーヒー愛好家でした。
Flair Espresso Makerは2016年、アメリカの”Kickstarter”で初めてのプロジェクトを始動したのを皮切りに瞬く間に世界へと羽ばたいていきました。
そんなフレアエスプレッソが、大好評だった”Signature”や”PRO2”にさらに改良を加えてリリースしたのが”Flair 58x”です。
多くのメディアでも取り上げられるなどして、かなり注目度も高いようです。
Flair Espresso Japan公式サイトではFlair 58xを『今までの常識を覆す “The Gold Standard”』というように紹介しています。
この言葉がどんなことを意味しているのでしょうか。
次は各パーツや注目ポイントなどを見ていきましょう。
『注目すべきポイント』
まずFlair 58xで注目すべきは、そのサイズ感でしょう。
前モデルのPRO2より一回り以上も大きいサイズになっています。
もともと”ポータブル式エスプレッソマシン”として売り出していましたが、今回の仕様を見ると”ポータブル(携帯型)”の要素は省かれた模様です。
PRO2やSignatureでは、専用のキャリングケースが付属し、すべてが収納可能で持ち運べる仕様でしたが、今回はそのようなケースはありません。
ですので、今回のFlair 58xに関しては、常時自宅や店舗で使用する目的で作られていると考えられます。
今までアウトドアなどで大活躍していたことを考えると少し寂しさもありますね。
しかし、今回のこの仕様は高性能な機械式エスプレッソマシンに真っ向勝負に出ているとも考えられます。
その証拠にポルタフィルターのサイズが業界標準である”58mm”のサイズに変更されました。
これはもちろん”美味しいエスプレッソへの飽くなき追及”のためでしょう。
フレアはすべてがアナログなため、エスプレッソを抽出する上での各オペレーションが思うように調整できます。
このことから小さなポルタフィルターから業界標準サイズへと変更し、「エスプレッソ界にフレアあり」と言わしめる最高の味作りに挑戦しているのではと僕は思います。
そしてそれに伴い前作のPRO2では、シリコンラバーが取り付けられたのみの加圧レバーでしたが、Flair 58xでは”T字型”のレバーに変更することでさらに力が容易に入れやすくなっています。
そしてブリューヘッドもサイズアップし、本体ベースにロックさせて使用するようになりました。
※PRO2では、バスケットにブリューヘッドをはめ込むだけでした。
僕が今回の仕様で一番テンションが上がったのは、58mmポルタフィルターを採用したことです。
家庭用エスプレッソマシンの多くは51mmのポルタフィルターですが、一度58mmを使うと51mmが”オモチャ”のように思えてきます。
作りも重厚感があって、ズッシリとしてとても頑丈な印象で、実際に抽出していると今まで以上に“絞り出してる感”が増したような気がします。
『各パーツの名称』
公式サイトをご覧いただければわかることですが、一応ご紹介しておきます。
▼本体ベースと抽出レバー
▼ブリューヘッド
▼ステンレススチール製ステム付き圧力計
▼58mmポルタフィルターとバスケット
▼58mmタンパー
▼プレヒートキャップ(予熱用、2種)
▼シリコンラバー製ドリップトレイ
この他に説明書があります。
▼組み立て時の重さ
3.6kg
▼組み立て時のサイズ
35×18×28(cm)
※専用のパックスクリーンについては、別売りとなります。
【抽出手順の確認】
それでは、抽出の手順を解説していきます。
初めての方はよくご覧になって確認してください。
PRO2やSignatureをお使いの方は、基本的な要領は同じですので注意点だけ確認していただければと思います。
また、58mmポルタフィルターになったため、ディストリビューションツールなどが他メーカーの物と互換性があり非常に便利になりました。
ですので、積極的にツールを活用することをおすすめします。
さらに均一性の高い高品質なエスプレッソの抽出ができますよ。
『抽出前にすべきこと』
抽出前の準備は、大きく分けて5つあります。
・湯煎
・ドーシング
・ディストリビューション
・タンピング
・ブリューヘッドにお湯を入れる
以上の5つの工程です。
いずれもフレアユーザーなら慣れていると思いますが、初めての方はよく手順を覚えておいてください。
「湯煎」
まずはブリューヘッドの“湯煎”を行います。
今回は沸かしたお湯を使って湯煎しますが、サイズが合うなら電気ケトルの上での湯煎も可能です。
▼湯煎用のキャップの内側に溝が入ってるので、ブリューヘッドの突起をその溝に合わせてしっかりとはめ込みます。
※しっかりはめないとお湯が隙間から出てくるので注意!
▼お湯で満水にしたら、圧力計を乗せて一緒に温めます。
「ドーシング」
ドーシングとは、ポルタフィルターにコーヒー粉を入れていく作業です。
PRO2ではドーシングファネル(リング)が付属していましたが、残念ながら今回の58xにはありません。
粉がこぼれますので、市販の58mm用のドーシングファネルを使用することをおすすめします。
▼今回は20gの粉を使用しました。
「ディストリビューション」
ドーシングが終わったらポルタフィルター内のコーヒー粉を均一にしていきます。
ディストリビューションの工程は、レベリングと同じ認識で大丈夫です。
様々なツールがありますが、その中でも“ディストリビューター”は必須です。
58mmのディストリビューターを使用することをおすすめします。
▼ディストリビューター
「タンピング」
ディストリビューションで粉を均一にしたら、次はタンピングです。
タンピングをする際は、付属のタンパーでも市販の58mmのタンパーでもどちらでもいいと思います。
付属のタンパーを使用する場合は、公式でも推奨しているように”両手”を使ってタンピングするといいですよ。(要領については、後半の動画でご覧ください。)
▼タンピング
ちなみに、58xのポルタフィルターの角度が良いからなのか、すごくタンピングがしやすいです。
上の画像のように、まっすぐにタンピングができやすいですよ。
「ブリューヘッドにお湯入れ」
ここまでできたらブリューヘッドを本体ベースに固定します。
本体ベースのブリューヘッドを設置する部分に“溝”があります。
そこにブリューヘッドの2箇所の突起を合わせて“半時計回り”に回して固定します。
▼“カチッ”と音が聞こえるまで回します。
ここで注意点です。
ブリューヘッドを固定して、次は中にお湯を注ぐと思うかもしれませんが、このままお湯を入れてしまうと下にポタポタお湯がこぼれてしまいます。
僕も最初やってしまったのですが、お湯より先にポルタフィルターをセットしないといけません。
▼先にポルタフィルターをセット
▼次にお湯を注ぐ
必ずこの順に進めてください。
▼最後に圧力計をセットして抽出準備完了です。
※圧力計もブリューヘッドと同じように凹凸がありますので、しっかり確認して固定してください。
『本抽出』
それでは、本抽出の手順です。
今回の抽出アプローチは、僕個人的なものてすので、あくまでも参考までにということでお願いします。
「蒸らし」
まずは“蒸らし(プレインフュージョン)”を行います。
蒸らしをするしないは自由ですが、僕は必ず蒸らしの工程を入れることをおすすめします。
理由は湯通りの偏りを防ぎ、味も安定するからです。
▼蒸らしでは2気圧程度を20秒間維持します。
▼少しコーヒー液が滴るくらいがちょうどいいです。
蒸らしを行うことで粉全体にしっかりとお湯を行き渡らせ、味を安定させてお湯の“偏り”を防ぎます。
「本抽出」
蒸らしの20秒間が終わったら一気に9気圧まで圧をかけていきます。
▼圧力計で確認しながら圧をかけます。
▼目的量まで達したら抽出をやめます。
▼抽出完了です。
他にも蒸らしを終えたら7気圧→9気圧→7気圧(秒数ごとに変える)のように本抽出中に“変圧”するのも面白いと思います。
そのあたりはご自身で調整して行ってください。
抽出に使用するカップやグラスを温めるのも忘れずに。
『抽出後の手順』
目的量のエスプレッソを抽出したら、ブリューヘッド内に残ったお湯を排出していきます。
この工程を抜いてしまうと、ポルタフィルターを外した時に残っているお湯がこぼれて周りを汚してしまいます。
▼以下、排出の要領です。
1,レバーを抽出後の位置から再度持ち上げて、もう一度押し下げていきます。
2,ブリューヘッド内のお湯が排出されます。
3,ある一定のところまでレバーを下げると、自動的に”減圧”が始まります。(新機能)
4,最終的に空気が抜ける音が聞こえたら排出完了です。
5,減圧することで、ポルタフィルター内のコーヒーケーキも固まり、取りやすくなります。
ここまでできたら次の抽出に入ってもよし、そのまま片付けるもよしです。
※伝わりづらいところもあると思いますので、動画もあわせてご覧ください。
【動画で観るFlair 58xの手順】
ここまで抽出の一連の流れを解説してきましたが、観た方が早いということで動画の方でも確認してみてください。
あまり画質が良くありませんが、ご了承ください。
【気になったところ】
ここからはFlair 58xを使ってみて、僕なりに感じた“気になったところ”を解説します。
『組みづらい』
一通り使用してみて感じたのは、本体ベースとブリューヘッドを組む時に“はまりづらさ”です。
今までフレアを使ってきて、スタイリッシュでスマートな印象だったのですが、今回は組む時に少し手間取りを感じました。
しかしながら“慣れ”の部分もありますので、あまり大きな問題ではありませんが、せっかちな人などは力任せにして壊さないように注意です。
ブリューヘッドだけでなく、ポルタフィルターを組む時も同じことを感じました。
6時方向に合わせてから4時方向へ回しポルタフィルターを固定するのですが、慣れないとスムーズに組めない印象を受けました。
自宅ならまだしも、店舗で使用する人は単純にタイムロスになるところですので、扱うのに”慣れ”が必要だということを認識しておいてください。
Flair 58xを使用して特に気になったところはそれくらいですね。
慣れれば問題なく使えるはずですので、最初のうちに凹凸などの噛み合わせをよく確認しておくといいですよ。
【Flair 58xの味について】
月並みな回答で申し訳ありませんが、美味しいとしか言いようがありません。
今回は深煎りが主体のブレンドを使用しましたが、サラッとした印象の口当たりで口の中でスーッと消えていくようなスッキリとしたエスプレッソに仕上がりました。
深煎りなのにドッシリとした感じは少なく、鼻腔をくすぐる香りの良さと後味の良さにフレアの良さを再確認できました。
ここまでの解説で述べたように、58xはアナログではありますが高性能な機械式エスプレッソマシンに引けをとらない抽出アプローチが可能です。
・お湯は何度にするか
・粉量はどうするか
・挽き目(メッシュ)はどうするか
・蒸らしを何秒入れるか
・本抽出時の変圧はどうするか
などなど、自分の意思で様々なアプローチをすることが可能です。
これこそがフレアが高性能な機械式エスプレッソマシンに真っ向勝負できるくらい美味しい味を出せる大きな理由です。
そしてこの自由度がゆえ、とにかく面白い。
逆を言えば不味くすることもできるでしょう。
浅煎りや深煎りの豆によってもアプローチは変わってくるでしょう。
試行錯誤を繰り返して美味しいエスプレッソを淹れられるようになる”面白さ”がFlair 58xにはあります。
そして自宅であっても、より美味しいエスプレッソを追求していける唯一のエスプレッソマシンであると僕は思います。
決して他の家庭用エスプレッソマシンを否定しているわけではありません。
しかし明らかにフレアエスプレッソと比較すると“出来ること”が違います。
フレアエスプレッソは、自分のやりたいことすべてを投影することができる最高のエスプレッソマシンなんです。
【Flair 58xの必要性について】
前述したように、フレアエスプレッソの自由度の高さは業界随一です。
もし、まだ体験していないのなら是非ともおすすめします。
フレアエスプレッソが初めてという方は、PRO2や Signatureなど、どのモデルが良いか正直迷いますよね。
またすでにPRO2などをお持ちの方も、もう一台追加するかどうか悩ましいところです。
初めての方については、アウトドアが好きかどうかや自宅以外でもエスプレッソを淹れたいかで検討すれば良いかと思います。
すでにお持ちの方は、携帯用と自宅用で分けて使うのもアリだと思います。
しかし、今回紹介しているFlair 58xは携帯には向きません。
ですので、外で楽しみたい時はPRO2やSignatureなどを。
自宅で普段使いにFlair 58xを、といった使い分けをするのが良いのではないでしょうか。
価格に関しては個人ごと感じ方が違うので一概には言えませんが、僕はフレアの全モデル通してコスパが良いと考えています。
こんなに自由度が高くて面白いのに、高性能な機械式エスプレッソマシンと比べても比較にならないくらいその金額の差は顕著です。
まだ体験していない方も、他モデルをお持ちの方もぜひおすすめしますよ。
【ま と め】
Flair 58xはいかがだったでしょうか。
フレアエスプレッソの各モデルは、すでに多くの店舗で使用されています。
そして今回のFlair 58xは他のモデルとは違い、初めから店舗使用を視野に入れて作られています。
店舗側がフレアを導入する理由は、絶対的にエスプレッソが美味しいからです。
そんな美味しいエスプレッソを自宅でも楽しめるFlair 58xのコスパは、“神”と言わざるを得ないでしょう。
それから、近年自宅においてのコーヒーの品質は、どんどん高品質化しています。
フレアエスプレッソメーカーはこれから先も、“自宅でも美味しいエスプレッソ”のニーズを担っていく存在になることでしょう。
エスプレッソベースのドリンクは、ホットでもアイスでもたくさんあり、ドリップコーヒーとはまた違った味わいを楽しむことができます。
エスプレッソはもちろん、アメリカーノやカフェラテ、アフォガートなんかも自宅で出来るようになりますよ。
ぜひ素敵なエスプレッソライフを過ごしてくださいね。
それでは、今回は以上で終わります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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KINEOでした。
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A&K COFFEEのKINEOです。ドリップ・焙煎・エスプレッソ・ラテアートまですべて独学で身に付けてきました。現在は東京都板橋区で念願だった『自家焙煎カフェ』を運営、『自家焙煎珈琲豆のオンラインショップ』とこの『珈琲ブログ』も運営しています。他にもビンテージ・アンティークに精通し、コーヒーカップの収集も趣味の一つです。この『珈琲ブログ』は、コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し、たくさんの人と共有することを目的に運営しています。あなたの素敵なコーヒーライフの参考になれば嬉しいです。
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