こんにちは。A&K COFFEEのKINEOです。
今回は「エアロプレス」というまだ比較的新しいコーヒー器具の解説をしていきます。
コーヒー好きなら一度は耳にしたことのある抽出器具ですが、ちゃんと使いこなせていますかね?
これから購入を検討している方はもちろん、すでにエアロプレスを所有しているという方もご覧いただける内容ですので、ぜひ最後までご覧になってください。
そして記事の中では、エアロプレスのレシピだけでなく、これから購入を検討している方のために様々な違いについても解説しています。
「フレンチプレスとはどう違うの?」
「ハンドドリップとの違いは?」
このような比較の内容も解説していますので、エアロプレスに興味のある方はよくご覧になってください。
本体すべてがプラスチック樹脂製のコーヒー器具ってなかなかありませんし、使ってみるとなかなか面白いですよ。
A&K COFFEEのKINEOです。ドリップ・焙煎・エスプレッソ・ラテアートまですべて独学で身に付けてきました。現在は東京都板橋区で念願だった『自家焙煎カフェ』を運営、『自家焙煎珈琲豆のオンラインショップ』とこの『珈琲ブログ』も運営しています。他にもビンテージ・アンティークに精通し、コーヒーカップの収集も趣味の一つです。この『珈琲ブログ』は、コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し、たくさんの人と共有することを目的に運営しています。あなたの素敵なコーヒーライフの参考になれば嬉しいです。
流行りの「インヴァート方式」や「チャンピオンレシピ」も紹介していますので、ぜひあなたのエアロプレスライフに活かしてください。
それでは、さっそく本題へいきましょう。
【エアロプレスってどんな器具?】
エアロプレスは、2000年代に登場した比較的まだ新しいコーヒー器具です。
米国の「エアロビー(AEROBIE)社」というメーカーが2005年に発表しました。
創業者の”アラン・アドラー氏”は、コーヒーについては素人だったようですが、独自に美味しいコーヒーが淹れられないかと研究したそうです。
そして発売以降、バリスタやコーヒー関係者の間で話題となり、約1000万台の大ヒット商品になりました。
コーヒーの知識があまりなくてもこんな大ヒット商品を生み出せるなんてすごいですよね。
『フリスビーのメーカーが作ったって本当?』
これを聞くとビックリするかと思いますが、「エアロビー社」はアウトドア系のメーカーで”フリスビー”を作っているメーカーなんです。
「フリスビーの会社がコーヒー!?」
と、驚くと思いますが事実です。
この事からもエアロプレス本体がプラスチック樹脂製で作られているのがうなづけますよね。
まさに異色の経歴を持つコーヒー器具というわけです。
すべてがプラスチック樹脂製のコーヒー器具って、一部ドリッパーに見られるくらいでコーヒー器具全体で考えるとかなり珍しいです。
「熱いお湯を入れても大丈夫なの?」
という疑問も聞こえてきそうですが、そこは大ヒット商品というところが効果を実証してるので安心してください。
近年では、エアロプレスに特化した大会も開催されていますので、かなり世界中で普及してきているコーヒー器具と言えます。
『フレンチプレスとはどう違うのか?』
さて、「プレス」と聞いて真っ先に思いつくコーヒー器具と言えば「フレンチプレス」ではないでしょうか。
フレンチプレスは、1928年に”アッティリオ・カリマーニ”という方が特許を取得したコーヒーの抽出器具です。
今では数ある「プレス系」コーヒー器具の”先駆け的存在”に当たるのがフレンチプレスなんですね。
その歴史は約100年という長い歴史を持っており、今でも多くの人達に親しまれている抽出器具です。
そして金属フィルターで抽出するフレンチプレスは、コーヒーの”オイル”まで抽出することができ、その珈琲豆本来の味を味わえるのが魅力です。
しかし一方で、コーヒーの「微粉」まで通してしまうため、舌のザラつきなどが気になる人にはデメリットになります。
フレンチプレスでコーヒーを淹れると、コーヒーカップの底に微粉が沈殿してしまうのも金属フィルターだからです。
対してエアロプレスはと言うと、同じように金属フィルターでも抽出することはできますが、一般的には付属のペーパーフィルターで抽出します。
※金属フィルターは別売りとなっています。
エアロプレスは、「空気圧」によってコーヒー液を押し出すように抽出します。
ですので、コーヒーの成分が抽出しやすく甘みや華やかな香りが出しやすいという傾向があります。
そして、ペーパーフィルターに通すことでクリアな味わいになりますが、空気圧で押し出しているため、若干オイルも抽出できるのも良いところです。
これによりエアロプレスにしかできない味わいを実現しています。
【エアロプレスのレシピ】
ここからはエアロプレスのレシピを紹介していきます。
ここでは、流行りのエアロプレスを逆さにする「インヴァート方式」とエアロプレスの「チャンピオンレシピ」を一つずつ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ちなみに僕のおすすめの抽出方法は「インヴァート方式」です。
『インヴァート方式』
それでは「インヴァート方式」でのレシピを紹介していきます。
特に難しいわけではありませんので、初心者の方でも大丈夫ですよ。
『抽出手順』
1.チャンバーとプランジャーを組んでおく(お湯が漏れないように注意)
2.キャップ(フタ)にペーパーをセットしてお湯で濡らして密着させておく
3.約15gのコーヒー豆を”中細挽き”で粉にする。
4.約15g(一人分)のコーヒー粉をチャンバー内へ入れる。
5.80度のお湯を約80ml注いで30秒蒸らす
6.30秒経過したらパドルで5回ほど撹拌する。
7.撹拌が終わったら、さらに120mlのお湯を注ぎキャップをする。
8.逆さにしてサーバーにセットしてプランジャーを押し下げる。
9.「プシュー」という空気が向ける音がしたら抽出完了
以上の手順で抽出してみてください。
では次はエアロプレスチャンピオンのレシピを見ていきましょう。
『チャンピオンレシピ』
このレシピは、2014年に開催されたエアロプレス世界大会でチャンピオンとなった”佐々木 修一”バリスタのレシピになります。
味わいには個人差があるので一概には言えませんが、それでもチャンピオンレシピともなれば美味しい可能性は高いでしょうから試してみる価値ありですよ。
ちなみにこのレシピは、先ほどのインヴァート方式と違って逆さにはしませんので注意してください。
『抽出手順』
1.16.5gのコーヒー豆をフレンチプレスより少し細かく挽く
2.ペーパーフィルターにお湯をかけずにキャップにセットする。
3.チャンバー内に挽いたコーヒー粉を入れる。
4.78度のお湯を40ml注ぎ、軽く数回撹拌して25秒蒸らす。
5.さらに210mlのお湯を注ぎ再度軽く撹拌する。
6.プランジャーをセットして75秒かけてプレスする。
7.すべて落とし切らず、チャンバー内に45mlほど残して抽出完了
8.全投入湯量が250mlですので、サーバーに約200ml落ちたら抽出をやめる。
チャンピオンレシピで抽出したい方は、ぜひ覚えておいてくださいね。
普段の抽出レシピと比較してみるのも面白いですよ。
【エアロプレスとハンドドリップの違いは?】
誰もが知っている抽出方法でもっとも一般的なのは「ハンドドリップ」ではないでしょうか。
この抽出方法は、コーヒーに興味がない人でも知っている抽出方法です。
そこで、このもっとも知られている抽出方法とエアロプレス抽出の違いをここでは解説していきます。
そもそも違いがなければ、エアロプレスを選ぶ必要がありませんからね。
『ハンドドリップ珈琲の特徴』
それでは「ハンドドリップ」について解説します。
ハンドドリップは、海外では”プアオーバー”と呼ばれていて、どちらかと言うと海外ではハンドドリップはあまり一般的な抽出方法ではありませんでした。
では、ハンドドリップはどこで発展していったかと言うと私たちの国、日本でした。
日本では、古くからハリオやコーノ(珈琲サイフォン株式会社)、カリタがハンドドリップを普及させてきました。
また、日本の喫茶店ではお馴染みの「ネルドリップ」もあり、日本では1杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れる文化が発展していきます。
かのブルーボトルコーヒーの創業者である”ジェームス・フリーマン氏”は、来日して渋谷にて(茶亭「羽當」)ハンドドリップでコーヒーを飲み、感銘を受けたと言います。
それくらい日本で発展したハンドドリップの技術はすごいわけです。
前置きが長くなりました。
ハンドドリップは、”透過法”という抽出方法であって、コーヒー粉に対してお湯を「上から下へ」と”透過”させる抽出方法です。
この時お湯がコーヒー粉を通過する原理は、重力です。
重力の力のみでお湯はコーヒー粉を通過してコーヒーの成分を落とします。
そしてもう一つの特徴がフィルターがペーパー(紙)であるということです。
このペーパーフィルターがあることで、コーヒーに含まれる「雑味」や「微粉」がサーバーへ落ちなくて済むわけです。
そしてコーヒーが本来持つコーヒーオイルもペーパーが吸着するため、フレンチプレスなどの金属フィルターのようにコーヒーオイルまで味わうことはできません。
ということから、ハンドドリップでの抽出は「クリア」で「キリッと」した印象の味わいが特徴になります。
『エアロプレス珈琲の特徴』
続いてエアロプレスで淹れるコーヒーの特徴です。
先ほどのハンドドリップは、”透過法”という抽出方法だと解説しましたが、このエアロプレスは”浸漬法”という抽出方法になります。
先ほどは解説しませんでしたが、コーヒーには大きく2種類の抽出方法があって一つは”透過法”もう一つは”浸漬法”になります。
浸漬法とは何かと言うと、透過法がお湯を上から下へと透過させるのに対し、浸漬法はコーヒー粉をお湯の中にすべて浸してしまう抽出方法です。
ということからわかるように、すべてのコーヒー粉がお湯に浸るのでコーヒー粉全体から成分が出やすくなります。
大きくザックリと言ってしまえば、透過法より浸漬法の方が技術差があまり出ないと言えます。
エアロプレスの大きな特徴は、「空気圧で加圧する」という点です。
フレンチプレスも同じ浸漬法の抽出ですが、エアロプレスとは違い「圧」はかかりません。
浸漬法であるということ、パドルなどで撹拌をすること、加圧すること。
これらがすべてコーヒーの成分を出やすくします。
フィルターは専用のペーパーフィルターですが、加圧することによって若干コーヒーオイルも抽出されます。(「圧」に押し出される)
ですので、エアロプレスで淹れるコーヒーは「味がしっかりと感じられる」という特徴があります。
しかし逆に言うと味が出過ぎてしまったり「雑味成分」まで出やすくなるので注意が必要ではありますね。
自分でレシピを考える際は、「過抽出」に気を付けると良いと思います。
以上がエアロプレスの特徴になります。
【お手入れのやり方】
エアロプレスのお手入れ方法は至って簡単です。
なぜならすべてがプラスチック樹脂製で作られているからです。
コーヒーの抽出が終わったら、エスプレッソ抽出でもお馴染みのコーヒーケーキ(コーヒーかす)を捨てて、あとはすべて水洗いして干しておきましょう。
コーヒー器具が水で丸洗いできるというのは、なかなかありませんからね。
お手入れの時に”素材の利点”を感じることができます。
基本的にコーヒー器具は、洗剤が使えない仕様が多いのですが、エアロプレスに関しては大丈夫です。
気になる汚れもしっかりと洗ってもらって問題ありません。
【エアロプレスのメリット・デメリット】
最後にメリット・デメリットを解説します。
最後のおさらいとして確認していきましょう。
『メリット』
・淹れていて非常に面白い
・プラスチック製で軽いので扱いやすい
・レシピ通りに抽出すれば誰でも美味しく淹れられる。
・お手入れが非常に楽
・丸洗いできるので清潔
以上がメリットです。
『デメリット』
・力が必要になるため、女性にはすこしネック(個人差あり)
・基本的には、一人分を淹れるため大人数に対しては向かない
・レシピに従わずに淹れた場合、美味しくならない可能性もあり
・スッキリとしたコーヒーが好みの人には向かない
以上のようなデメリットがありますので、よく検討してから購入するようにしてくださいね。
【ま と め】
いかがだったでしょうか。
本記事をご覧になってだいぶエアロプレスに関しての理解が深まったのではないでしょうか。
エアロプレスは、本当にアウトドアメーカーが作ったとは思えないくらい面白くてクオリティの高い抽出器具です。
今回は割愛しましたが、エアロプレスを使って「エスプレッソ」を抽出したり「水出しアイスコーヒー」を作ることも可能なんです。
いくつかデメリットを挙げましたが、エアロプレスを使いこなすことで結構デメリットをカバーすることもできたりします。
例えば濃くコーヒーを抽出してあとでお湯で割って複数人分淹れる。なんてことも可能です。
多少なりとも計算で抽出できるようになる必要がありますが。
とはいえ、レシピや技術でデメリットを多くカバーしてしまえばメリットの方が大きくなるので、最高のコーヒー抽出器具になるかも知れませんよ。
ぜひエアロプレスを使いこなして、素敵なコーヒーライフを過ごしてくださいね。
それでは今回はこの辺で終わります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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それでは、また次の記事で!
KINEOでした。
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A&K COFFEEのKINEOです。ドリップ・焙煎・エスプレッソ・ラテアートまですべて独学で身に付けてきました。現在は東京都板橋区で念願だった『自家焙煎カフェ』を運営、『自家焙煎珈琲豆のオンラインショップ』とこの『珈琲ブログ』も運営しています。他にもビンテージ・アンティークに精通し、コーヒーカップの収集も趣味の一つです。この『珈琲ブログ』は、コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し、たくさんの人と共有することを目的に運営しています。あなたの素敵なコーヒーライフの参考になれば嬉しいです。
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