こんにちは。A&K COFFEEのKINEOです。
コーヒー豆の賞味期限って一体どうなっているのでしょうか?
スーパーなどで販売しているコーヒー豆のパッケージの裏表示を見ると、3ヶ月のものもあれば半年のものもあったり。
結構バラつきがありますよね。
なぜコーヒー豆の賞味期限にはこんなにバラつきがあるのでしょうか。
しかも大手メーカーだったり有名なお店のコーヒー豆でもそれぞれ違いがあります。
本記事では、そんなコーヒー豆の賞味期限について詳しく解説していきます。
A&K COFFEEのKINEOです。ドリップ・焙煎・エスプレッソ・ラテアートまですべて独学で身に付けてきました。現在は東京都板橋区で念願だった『自家焙煎カフェ』を運営、『自家焙煎珈琲豆のオンラインショップ』とこの『珈琲ブログ』も運営しています。他にもビンテージ・アンティークに精通し、コーヒーカップの収集も趣味の一つです。この『珈琲ブログ』は、コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し、たくさんの人と共有することを目的に運営しています。あなたの素敵なコーヒーライフの参考になれば嬉しいです。
コーヒーを美味しく飲むなら必須とも言える賞味期限の把握。
ぜひ最後までご覧いただいて今後の参考にしてください。
それでは、さっそく本題へいきましょう。
【コーヒー豆の賞味期限について】
結論から言うと、コーヒー豆には明確な賞味期限というのはありません。
というのも、そもそも賞味期限というのは企業やその焙煎業者が決めていいからです。
全日本コーヒー協会が定めているコーヒー豆の賞味期限は、1年〜2年。
この段階ですでに“曖昧”ですよね。
そもそも賞味期限については
★賞味期限(意味)
美味しく食べることができる期限(best-before)。この期限を過ぎても、すぐに食べられないということではない。
★賞味期限(表示)
3カ月を超えるものは、年月で表示し、3カ月以内のものは年月日で表示。
※一部抜粋
このようになっているため、各メーカーごとに賞味期限が異なっているのです。
※ちなみに僕の運営するA&K COFFEEの賞味期限は1ヶ月です。
しかし、これでは消費者側は悩んでしまいますよね。
メーカーや業者側が好きに(もちろん考えてますが)賞味期限を付けているのですから、バラつきがあって当然です。
ですので、消費者側は「どの期間が正しいのだろう?」となっても不思議ではありません。
きちんと美味しく飲める期間を知りたい人には、少し迷惑でもありますよね。
次はコーヒーを美味しく飲める期間について、現役のコーヒー屋である僕がハッキリと期間を提示します。
【抽出方法によって少し変わる】
僕の提示する期間についても、あくまでも“一例”に過ぎません。
とはいえ、きちんとした理由の裏付けがあってのことですので、ぜひ参考にしてください。
まずもってコーヒー豆を美味しく飲める期間が1年〜2年もあるはずがありません。
※”美味しく飲める範囲”で、あり得ないという意味です。
一方で、コーヒー豆は“腐る”ということがありません。
腐らないからこそ賞味期限について“曖昧”になっているのですが。
しかしそれはコーヒーの美味しさを保障するものではなく、単に“食せるか食せないか”ということを表しただけのことです。
コーヒー豆は、焙煎の工程を経て誰もが知るコーヒー豆へとなりますが、実は焙煎後から“劣化”は始まっています。
焙煎したばかりのコーヒー豆は、多くの炭酸ガスを含んでいて、焙煎したてになればなるほど炭酸ガスを多く放出します。
この炭酸ガスの放出があるため、焙煎したてのコーヒー豆は“よく膨らむ”のです。
そして焙煎から日数が経てば経つほど炭酸ガスの放出は収まっていきます。
炭酸ガスが放出しきってしまい、コーヒー豆自体の“品質が劣化”してしまえば、この時点で美味しいコーヒーを期待することはできません。
炭酸ガスに加えて、コーヒー豆は“酸化”もします。
この酸化についてもコーヒー豆を“劣化”させる要因の一つです。
では、そんな要因のあるコーヒー豆をどうすれば美味しく管理できるのでしょうか。
結論は、“美味しく飲める期間内に飲み切る”ということが重要となります。
今回は、家庭で一番多い抽出方法であろう“ハンドドリップ”の場合と家庭ではあまり見ない“エスプレッソ”の場合の二つに分けて最適な期間を提示します。
『ドリップの場合』
ハンドドリップが一番多いとは言うものの、コーヒーメーカーなどのマシンによる抽出も多いですよね。
マシンによる抽出の場合も、このハンドドリップと同じ賞味期限の認識で大丈夫ですので、ドリップと同じ期間を参考にしてください。
▼美味しく飲めるドリップの期間(常温)
・焙煎から2週間以内
ということで、2週間以内には飲み切れる量を仕入れる(購入する)のがベストです。
コーヒー豆は、焙煎から3日程度は炭酸ガスの放出が著しく、この期間については逆に飲まずに寝かしておいた方がいいです。
※飲んではいけないわけではありません。
焙煎から3日程度経つと、少し炭酸ガスの放出が弱まり、コーヒー豆の香りがより強く開いてきます。
また、炭酸ガスの放出が弱まることで味の輪郭もハッキリしてくる傾向があります。
以上のことから、ハンドドリップやコーヒーメーカーの場合は
・焙煎したて、もしくは焙煎から3日程度経っているコーヒー豆だけを仕入れる
・仕入れてから2週間程度で飲み切る
というのが一番いい管理方法です。
※ちなみに“常温”での推奨期間です。
冷蔵や冷凍するといった方法もありますが、その場合常温に戻したり、解凍しなければならなかったりと“手間”も増えます。
ですので、もっとも手間が少なく、効率的に美味しくコーヒー豆を管理するには、常温保存で美味しく飲める期間内に飲み切るというのが最善の方法です。
▼保管方法についてはこちらの記事をどうぞ。
【コーヒー豆の保存と容器】それぞれの期間ごとにオススメの方法を紹介!
以上がドリップのベストな期間でした。
次はエスプレッソの場合の美味しい期間を解説します。
『エスプレッソの場合』
エスプレッソの場合は、焙煎したてで抽出してしまうと炭酸ガスの放出が著しいため、エスプレッソ特有の“クレマ(泡)”だらけになってしまいます。
※もちろん焙煎したてをエスプレッソにしてはいけないわけではありません。
抽出した時にグラスの半分以上がクレマになってしまう場合は、コーヒー豆の“エイジング(熟成)”が足りていません。
エスプレッソの場合は、ドリップなどに比べるとやや長めにエイジングをさせる必要があります。
エイジングによりコーヒー豆を寝かすことで炭酸ガスの放出が落ち着き、より一層エスプレッソに適したコーヒー豆になります。
▼美味しく飲めるエスプレッソの期間(常温)
・焙煎から1週間寝かせたコーヒー豆を”2週間以内に飲み切る”
これがエスプレッソの場合のベストな期間です。
1週間経過したところから2週間以内に飲み切るということで、やはり間の“2週間で飲み切る”という部分はドリップと変わりません。
2週間以上経過してしまうとコーヒー豆の劣化が進んでしまい、エスプレッソに必要不可欠な“クレマ”が出なくなってしまいます。
クレマは出過ぎていてもダメだし、出ていなくてもダメなもので、エスプレッソにはなくてはならない存在です。
また、エスプレッソ特有のクレマは、エスプレッソを上手に抽出できるとキレイな”琥珀色”を見せてくれます。
そして、エスプレッソ・マニアならご存知の”タイガー・スキン(虎模様)”と呼ばれる模様が出ることもあります。
これは、飲まずしてそのエスプレッソの見た目だけで抽出の良し悪しが見てとれる模様です。
“タイガー・スキン(虎模様)”が出ているエスプレッソは、抽出がかなりうまくいったと判断して間違いありませんよ。
すこし脱線しましたが、以上がエスプレッソの場合の最適な”美味しい期間”です。
参考までに。
【コーヒー豆は腐るのか?】
先ほども少し触れましたが、コーヒー豆は腐りません。
コーヒー豆は焙煎を施しているため、水分も抜けていて腐敗するようなことはないです。
「コーヒー豆は腐らない」という要素もコーヒー豆の賞味期限を曖昧にしているのかもしれませんね。
しかしながら、コーヒー豆は外部からの湿気を吸い込みます。
これはコーヒー豆が多孔質であり、”ハニカム構造”という形で内部が形成されているためです。
※ハニカム構造とは”ハチの巣”のような形です。
焙煎された後のコーヒー豆は、この”ハニカム構造”に加えて水分がなく乾燥しています。
ですので、外部からの湿気をよく吸い込むのです。
このため、コーヒー豆は腐りはしませんが、カビが生える可能性はあります。
コーヒー豆を冷蔵庫で保管する場合などに、このコーヒー豆の構造を理解しておかないと冷蔵庫内の湿気や他の食品のニオイをコーヒー豆が吸い込んでしまうので注意が必要です。
コーヒー豆を適切に保管するとなると、常温、冷蔵庫、冷凍庫といった保管方法になると思いますが、それぞれの保管場所に適した袋などを考慮する必要があります。
▼コーヒー豆の保存についてはこちらをどうぞ。
【コーヒー豆の保存と容器】それぞれの期間ごとにオススメの方法を紹介!
コーヒー豆は腐りませんが、以上のようなことをよく認識して保管してくださいね。
【古くなった珈琲豆の使い方】
古くなってもう飲めないようなコーヒー豆の使い道はいくつかあります。
例えば
・靴箱の消臭剤として
・冷蔵庫のニオイ取りとして
・植物などの肥料として
・庭先の猫除けとして
・虫除けとして
このように、用途としてはいくつかあります。
この中で僕が一番おすすめする用途としては、冷蔵庫のニオイ取りです。
僕は実際にこの方法をいくつか実践していますが、冷蔵庫以外の方法はあまり実用的ではありませんでした。
コーヒー豆の水分を完全に抜くため、何回も電子レンジにかけなくてはならなかったり、植物の肥料として使用したら数日後にそこからカビが生えてしまったり。
とにかく古くなったコーヒー豆の使い道としては、あまりピンとくる使い方がありませんでした。
▼詳しくはこちらの記事から。
【コーヒーかすの再利用】オススメの利用法3選【検証】
ということで、古くなったコーヒー豆の使い道はいくつか存在しますが、おすすめできる方法は少ないので古くなる前にしっかり”飲み切る”というのが最善です。
当初から解説しているように、”飲み切れる分だけを購入する”というのが美味しいコーヒーを飲むための鉄則だと僕は思います。
【ま と め】
コーヒー豆の賞味期限については、本当に”曖昧”です。
だからこそ消費者側は適切な期間や保存方法を把握することが難しいです。
今回の記事では、そんなコーヒー豆の賞味期限についての疑問や悩みについて解説してきました。
結論は、焙煎された日を確認できる新鮮なコーヒー豆を飲み切れる分だけ購入する、ということです。
コーヒー豆のパッケージの表示を頼りに購入していては、美味しいコーヒーの期間というものは適切に把握できません。
それは記事の中でも述べたように、各メーカーや焙煎業者が都合よく設定していることが多いからです。
ですので、コーヒー豆のパッケージの表示はアテにせず、信用できる焙煎所やコーヒー屋からコーヒー豆を購入し、多過ぎる量を購入しないことで適切に美味しい期間を自分で把握していってください。
特にスーパーや量販店で大量に販売されているコーヒー豆は要注意ですよ。
今回の記事を参考に、あなたのコーヒーライフの参考にしてくださいね。
それでは、今回は以上で終わります。
最後までご覧いただいてありがとうございました。
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それでは、また次の記事で!
KINEOでした。
【A&K COFFEEからのお知らせです】
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