こんにちは。A&K COFFEEのKINEOです。
現代の日本人にもエスプレッソという言葉はだいぶ浸透してきていると思います。
しかしながらまだまだ”名前”しか知らず、そもそもどんな飲み物なのか説明できる人は少ないのではないでしょうか。
本記事をご覧いただければ、エスプレッソの意味や種類、美味しい飲み方まで詳しくわかるようになりますよ。
「エスプレッソってコーヒーなの?」という方から
「飲んだことはあるけど、どう飲んでいいのかわからなかった…」という方まで丁寧に幅広く解説していきます。
A&K COFFEEのKINEOです。ドリップ・焙煎・エスプレッソ・ラテアートまですべて独学で身に付けてきました。現在は東京都板橋区で念願だった『自家焙煎カフェ』を運営、『自家焙煎珈琲豆のオンラインショップ』とこの『珈琲ブログ』も運営しています。他にもビンテージ・アンティークに精通し、コーヒーカップの収集も趣味の一つです。この『珈琲ブログ』は、コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し、たくさんの人と共有することを目的に運営しています。あなたの素敵なコーヒーライフの参考になれば嬉しいです。
海外からのカフェも多い現代の日本ですから、エスプレッソの知識を深めておいて損はしないはずです。
ぜひ一緒にエスプレッソを学んで、コーヒーリテラシーをアップさせましょう。
それでは、さっそく本題へいきましょう。
【エスプレッソとはそもそも何?】
まず「エスプレッソとはそもそも何?」というところから解説していきます。
これだけでも知っておけばエスプレッソの説明には困らないでしょう。
【エスプレッソとは】
エスプレッソとは、90度程度の湯温で約9気圧という”圧力”をかけて、約30秒程度の短時間で抽出したコーヒー液のことを言います。
約90度という高温と”圧力”によって抽出されたコーヒー液は、”乳化”することによりトロッとした質感を生み出します。
抽出したてのエスプレッソは、「クレマ」と呼ばれるエスプレッソ特有の”泡”の部分と、「ボディ」と「ハート」と呼ばれる3層に分かれています。
※抽出後数秒~数十秒程度しか見られません。
上記のようにしっかりと3層に分かれるエスプレッソが理想のエスプレッソと言われます。
【エスプレッソの歴史】
近代的なエスプレッソマシンを見ていると驚くかもしれませんが、エスプレッソは誕生から約100年とその歴史は深いんです。
ドイツの”メリタ・ベンツ女史”が紙による「ペーパードリップ」を生み出したのが1908年ですが、エスプレッソが誕生したのは1906年なので、現在では主流なペーパードリップより歴史の古い抽出方法になります。
【エスプレッソの誕生】
エスプレッソマシンは、1901年に”ルイジ・ベゼラ”という人が初めて開発しました。
その後に”デジデリオ・パボーニ(現ラ・パボーニ創業者)”がその特許を買い取り、1906年の「イタリア万博」で「ベゼラ」という名で出品したのがエスプレッソマシンの起源と言われています。
イタリア万博の場で、一杯ずつエスプレッソをふるまったことが始まりです。
ですので、エスプレッソマシンの誕生自体は1901年なのですが、正式に起源となるのは1906年とされています。
参考元:Wikipedia エスプレッソ – Wikipedia
【エスプレッソの語源】
“圧力”をかけて素早く抽出することから、英語の「急行(express)」という言葉の意味と同じ意味を持つイタリア語の「エスプレッソ(espresso)」が語源と言われています。
その他にも「特別に」、「あなたのために」という意味もあるようです。
※諸説ありますが、上記の説が有力です。
【エスプレッソの種類】
ここではエスプレッソの種類を解説します。
「エスプレッソに種類なんてあるの?」と思うかも知れませんが、抽出の仕方や飲み方などに違いがあります。
まずは抽出する器具の違いから見ていきましょう。
【抽出器具での違い】
抽出器具の違いは、大きく分けると3つあります。
・機械式エスプレッソマシン
・ポータブル式エスプレッソマシン(携帯型)
・直火式エスプレッソマシン(マキネッタなど)
上記の3タイプになります。
【機械式エスプレッソマシン】
この機械式エスプレッソマシンは、カフェなどの店舗で多く導入されているので見たことがある方も多いと思います。
さらにこの機械式にも2タイプの種類があり
・全自動型(フルオート)
・半自動型(セミオート)
上記の2タイプになります。
全自動型マシンは、特に抽出過程での作業手順が必要ありません。
コーヒー豆などを準備さえすれば、スイッチ一つであとは機械が勝手にエスプレッソを抽出してくれます。
対して半自動型のマシンでは、今回詳細は割愛しますが、「ドーシング」「レベリング」「タンピング」といった抽出する人が行わなければならない作業工程があります。
この作業を行った後に抽出スイッチを押して目的量までのエスプレッソを抽出します。
カフェなどのバリスタが手早く行っている作業手順も同じになります。
全自動型マシンに比べ、今はまだ半自動型のマシンの方がエスプレッソの精度は高いとされ(バリスタの技術による)、腕のいいバリスタが重宝されています。
また、全自動型のマシンを導入している店舗もありますが、エスプレッソを提供するお店の多くは半自動型のエスプレッソマシンです。
美味しいエスプレッソを飲みたければ、お店で導入しているエスプレッソマシンを確認して腕のいいバリスタを見つけるのが一番良い方法でしょう。
【ポータブル式エスプレッソマシン】
ポータブル式エスプレッソマシンは、近年コーヒー業界でよく話題に上がる携帯型(手動式)のエスプレッソマシンです。
美味しいエスプレッソを”自力で絞りだす”といったところが非常に面白く、ファンも多いエスプレッソマシンです。
電源などを使用しないため、マシンというと少し”語弊”があるかも知れませんが、一応エスプレッソマシンと呼ばれています。
【代表的なポータブル式エスプレッソマシン】
・フレアエスプレッソメーカー
・ROKエスプレッソメーカー
上記のメーカーが主力になっています。
また、フレアエスプレッソに関しては大手クラウドファンディング「MAKUAKE」において2000万円の資金支援を得ることに成功した支持者の多いBIGプロジェクトでした。
【直火式エスプレッソマシン】
直火式エスプレッソマシンとは、通称「マキネッタ」のことです。
マキネッタについてもイタリアが発祥となっていて、イタリア本国では「一家に一台必ずある」と言われているくらい普及している器具になります。
しかしながらエスプレッソマシンという名で呼ばれていますが、マキネッタで淹れるコーヒーのことは厳密にはエスプレッソとは言いません。
マキネッタは、火などの熱源によりお湯を沸騰させることによる「蒸気圧」を利用して抽出するのですが、その圧力は2~3気圧と低いため機械式などに比べると濃厚さに欠けます。
ですので、機械式のようなエスプレッソは抽出することはできません。
イタリアでは、カフェなどの機械式で淹れたものをエスプレッソと呼び、マキネッタのような直火式で淹れたものを「モカ」と呼ぶのが一般的になっています。
【代表的な直火式エスプレッソマシン】
・BIALETTI(ビアレッティ社) ※マキネッタシェアNo.1
・ALESSI(アレッシィ社)
などが有名なメーカーです。
厳密にはエスプレッソとは言えませんが、ドリップコーヒーよりは濃いコーヒーが抽出できますので、いつもと違ったコーヒーを楽しみたい方にはオススメです。
マキネッタの記事はこちらから。
【マキネッタで淹れる】アメリカンコーヒー・アメリカーノの美味しい淹れ方
【イタリアンエスプレッソ】
イタリアンエスプレッソは、本家・王道とも言えるエスプレッソです。
通常3~5種類くらいの豆をブレンドにするのが主流となっていて、焙煎度も中深煎り~深煎りが使われることが一般的です。
イタリアでは、北部地域(ミラノなど)と南部地域(ナポリなど)でもエスプレッソの味わいが変わるようで、南部の方がよりパンチの効いた味わいが多いようです。
また、イタリアではBar(バール)と呼ばれる場所でコーヒーを飲むことが一般的で、コーヒーと言えばエスプレッソのことを言います。
イタリア人の生活には日本人が考えられないくらいエスプレッソが密接な関係にあり、自分のお気に入りのBar(バール)に”朝・昼・晩”と当たり前のように通うそうです。
中には一日に10杯以上飲む人もザラにいるようですよ。
【スペシャルティコーヒー由来のエスプレッソ】
スペシャルティコーヒー由来のエスプレッソは、前述したイタリアンエスプレッソとは違い近代的でまだ新しい部類のエスプレッソです。
イタリアンエスプレッソと比べると、浅い焙煎度合いが主流となっています。
スペシャルティコーヒーでは、産地の風味特性を大切にする考え方があるため、深い焙煎による「焙煎由来の香味」をネガティブなものと考える風潮があります。
ですので、浅い焙煎度合いで産地の風味特性を活かしたエスプレッソになるワケです。
今回は詳細は割愛しますが、スペシャルティコーヒーという言葉は、ノルウェー出身の”エルナ・クヌッセン”という女性が提唱しました。
1978年の国際コーヒー会議の場において
“Special geographic microclimates produce beans with unique flavor profiles, which she referred to as “Specialty coffees.”
ー 特別な地理的微小気候(マイクロクライメイト)がもたらす特徴的で個性的な風味特性を備えたコーヒーを”スペシャルティコーヒー”と言う ー
このように提唱したことがスペシャルティコーヒーの始まりです。
そしてスペシャルティコーヒーの理念を表す言葉に「From seed to cup」という言葉があり、これは「種からカップまで」という意味です。
生産者から様々な人の手に渡り消費者のカップにたどり着くまで、コーヒーの品質を関係者全員で守ろう。という合言葉的な言葉です。
イタリアンエスプレッソは、濃厚でパンチの効いたエスプレッソですが、スペシャルティコーヒー由来のエスプレッソはどちらかと言うとサラッとした質感で、クリアな印象の味になります。
両者の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
コーヒーの浅煎りについてはこちらの記事をどうぞ。
【浅煎りコーヒーが美味しく感じない人へ】本当に美味しい珈琲とは?
【ドリップコーヒーとはどう違うのか】
ここでは「ドリップコーヒーとは何が違うのか?」について解説していこうと思います。
ここまでの解説でもうだいたいお分かりかと思いますので簡単に説明していきます。
【抽出アプローチの違い】
【ドリップコーヒー】
・湯温が約80度~90度
・重力による自然抽出(お湯が自然に落ちていく)
・抽出時間は約3分ほど
・挽き目や注湯の仕方でレシピを組む
【エスプレッソ】
・湯温は90度程度
・蒸気圧による強制抽出(約9気圧)
・抽出時間は約25秒~30秒
・ほとんどは粉の挽き目による調整でレシピを組む
以上が大まかな抽出アプローチの違いです。
こうして見るとかなり違うことがわかります。
【カフェイン量の違い】
ではエスプレッソとドリップコーヒーでは、含まれるカフェイン量はどのくらい違うのでしょうか。
【ドリップコーヒー】
コーヒー豆を約10g使用してお湯を約150ml使い抽出をした場合、抽出されたコーヒー液中に含まれるカフェイン量は「約100mg」になります。
※使用する豆や焙煎度合いにも左右されますので上記はあくまでも目安です。
【エスプレッソ】
エスプレッソを1ショット抽出するのに使用するコーヒー豆が約10gとして、約30ml抽出するとコーヒー液中に含まれるカフェイン量は「約40~60mg」といったところです。
※もちろんエスプレッソも目安となります。
単純にドリップコーヒーの方が使用する豆量が多く、カフェインについても多く摂取することになります。
また、エスプレッソは短時間抽出のためほとんどカフェインを含んでいないという説もありますが、この説は実証されたわけではなく定かではありません。
【エスプレッソの美味しい飲み方】
それではエスプレッソの美味しい飲み方や嗜み方を見ていきましょう。
特に決まりがあるワケではありませんが、一般的な飲み方などを知っておくといいでしょう。
断っておきますが、自分好みの飲み方があればそれで構いませんよ。
【イタリアンエスプレッソの場合】
ここまでで解説してきたようにイタリアンエスプレッソは濃厚でパンチの効いた味が基本です。
そしてよく知っておいてもらいたいのが、イタリアンエスプレッソは「砂糖を入れて完成する飲み物」ということです。
ですので、砂糖を入れずに飲むという行為はオススメしません。
必ず砂糖を入れて飲みましょう。
入れる砂糖の目安としては小さじで2~3杯が一般的です。(イタリア人はもっと入れる人もいるらしいです。)
そしてよくかき混ぜてから”3口で飲み干す”のがイタリアンエスプレッソの飲み方になりますので覚えておくといいですよ。
飲み終わった後にカップの底に残った砂糖をスプーンですくって食べるのも”通”の嗜みになりますのでぜひやってみてください。
【スペシャルティコーヒー由来のエスプレッソの場合】
スペシャルティコーヒー由来のエスプレッソの場合は、イタリアンエスプレッソとは違い砂糖を入れずに飲んでみましょう。
※砂糖を入れてはいけないわけではありません。
抽出するバリスタの技術にもよりますが、産地の風味特性を活かしてエスプレッソを調整しているはずですのでサラッとスッキリ美味しく飲めるはずです。
腕のいいバリスタは、風味はもちろん”甘み”もバッチリ引き出してくれますよ。
※コーヒーでいう「甘い」とは砂糖的な甘さのことではなく、フルーツ由来の甘さのことです。
【豊富なカフェメニューの見分け方】
最後に世の中の豊富なカフェメニューの見分け方について解説します。
コーヒードリンクの多くは、エスプレッソがベースになっているのか、ドリップコーヒーがベースになっているのかで分けられます。
どのメニューが何がベースなのかわかるだけでも、お店に足を運んだ時のメニュー選びに役立ちますよ。
【ドリップベースのドリンク】
・カフェオレ
・アメリカンコーヒー
・デミタスコーヒー
・ウィンナコーヒー
・ネルドリップコーヒー
・アイリッシュコーヒー(ウイスキー入り)
・カフェロワイヤル(ブランデー入り)
・急冷式のアイスコーヒー
【エスプレッソベースのドリンク】
・カフェラテ
・カフェモカ
・アメリカ―ノ
・ロングブラック
・カプチーノ
・マキアート
・フラットホワイト
・シェケラート
・エスプレッソトニック
・アフォガート(アイスにエスプレッソがけ)
こうして見るとたくさんありますね。
お店でワケがわからなくなるのも無理ないですよね。
もちろんここで挙げたメニューは一部にはなりますが、上記のメニューを少しでも覚えればお店に行った時に役立つと思います。
ぜひ今後のメニュー選びの参考にしてみてください。
【ま と め】
いかがだったでしょうか。
ここまで様々なエスプレッソの解説をしてきましたが、疑問などの解消に繋がったなら幸いです。
記事の冒頭で伝えたように、この記事を読むことでだいぶエスプレッソへの理解が深まったのではないでしょうか。
特にエスプレッソのことがよくわからなかった方は、エスプレッソの知識はもちろん今後のエスプレッソとの付き合い方まで見えてきたはずです。
ここまで記事をご覧になって気付いたかも知れませんが、コーヒーの世界って別に難しいことないんですよ。
淹れ方が少し違うだけなのに、ガラッと呼び名が変わったりするので、難しく思えることが多いんです。
実際説明を受けてみると「な~んだ、それだけの違いなんだ」となることばかりです。
ですので、構えることなくどんどんとコーヒーの世界へ足を踏み入れていってくださいね。
そうした中で僕が一番大切にしていることは「自分の好みを貫く」ということです。
様々な飲み方やスタイルがあるコーヒーの世界ですが、一番大切なのは「自分の好み」ですから。
誰かに言われたままにコーヒーを飲むのではなく、「自分の好み」を貫いてコーヒーを楽しんでくださいね。
それでは今回はこの辺で終わります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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それではまた次の記事で。
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A&K COFFEEのKINEOです。ドリップ・焙煎・エスプレッソ・ラテアートまですべて独学で身に付けてきました。現在は東京都板橋区で念願だった『自家焙煎カフェ』を運営、『自家焙煎珈琲豆のオンラインショップ』とこの『珈琲ブログ』も運営しています。他にもビンテージ・アンティークに精通し、コーヒーカップの収集も趣味の一つです。この『珈琲ブログ』は、コーヒーの魅力や知識・技術、そして有益な情報を発信し、たくさんの人と共有することを目的に運営しています。あなたの素敵なコーヒーライフの参考になれば嬉しいです。
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